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むさしの自然観察園公式ブログ

むさしの自然観察園は身近な自然環境について学ぶために2005年7月にオープンした武蔵野市の施設です。
数百種類に及ぶ植物が栽培されており、園内では季節の花々を楽しむことができます。また管理棟内では水生生物などを飼育しています。

  • 観察園だより9月28日号掲載

    フジバカマ、オミナエシ、シュウメイギクほか

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  • 9月 オミナエシ(女郎花) オミナエシ科

     オミナエシは、沖縄を除く日本全土および中国~東シベリアにかけて分布している。日当たりのよい肥沃な草原に生育し、夏から秋にかけ、地表に広がる根生葉から1mほどの長い花茎をのばし、その先端に黄色い小花を平らな散房状に多数咲かせる。咲いているのが1株だけだとさほど目立つ花ではないが、多くの株がまとまって開花していると、光沢のある黄色い小花が秋の陽に輝いて美しい。

     しかし、秋の七草の一つとして、日本では古くから親しまれている草原植物であるにもかかわらず、オミナエシの名前の由来が明確ではない。牧野富太郎は、同属でよく似ていて白花のオトコエシ(男郎花)に対応して、優しい感じがするところからオミナエシ(女郎花)と名付けられたとし、「エシ」の意味は不明と素っ気ない説明をしている。

     このことから、「エシ」は「圧し(へし)」が変化したものであり、花の美しさは美女を圧倒する意味だとする説がある。だとすれば、地味な白花にオトコエシの名をつけるのは、筋が通らない。

     筆者はオミナエシはオミナメシ、オトコエシはオトコメシが変化したものと考える。則ち、中国の本草書ではオミナエシもオトコエシも「敗醤(はいしょう)」と呼ぶ。この属の植物が、腐った(敗)醤(ひしお)のような異臭を持つことからである。日本現存最古の薬物辞典(本草書)である深江輔仁著『本草和名』延喜18(918)年は、敗醬の和名はチメクサと記している。一方、和歌を詠む上流階級の人達は、敗醤では和歌にふさわしくないと見て、女郎花の漢字をあてたのではないか。だが、一般の農民などはチメクサのほか、分かりやすい名前として、オミナエシをボン(盆)バナ、アワ(粟)バナ、オミナメシ(女郎飯)、オトコエシをオトコメシ(男飯)と呼んでいたようだ。筆者はオミナメシ、オトコメシが変化してオミナエシ、オトコエシとなったと考える。  則ち、女性は黄色い粟の飯を食べ、農作業の労働の代償として、男性は白い米の飯を食べたということではないか。これ以上書くと、男尊女卑の思想ではないかと非難されそうなので、ここでやめておこう。

  • 観察園だより「観察園で見られるチョウ」

    カラスアゲハ、ジャコウアゲハ、オオミズアオほか

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  • 観察園だより9月11日号掲載

    アケビコノハ幼虫、オオミズアオ幼虫、アリジゴク

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  • 9月 オオミズアオ(大水青) ヤママユガ科

     ガの一種で、国内では北海道~九州、国外では朝鮮半島~中国・ロシア南東部の平地から高原までと生息域の広い北方系のガと言える。

     ガというと、薄汚れた茶色の羽根をイメージするが、このガは美しい青白色をしたアゲハチョウのように大型のガで、羽根を拡げると12㎝になり、夜に飛来し鮮やかなため「月の女神」の別名がある。

     出現期は5~8月頃で、初夏と晩夏の2回発生し蛹で越冬する。幼虫は緑色の芋虫で、イラガの幼虫を大きくしたような姿であり、モミジ、ウメ・サクラなどのバラ科、ブナ科、カバノキ科、ミズキ科ほか多くの樹木の葉を食べる。従って、幼虫や成虫が生き延びることのできる環境が残された、都心の街路樹などでも見かけることがある。

     しかし、人は巣箱をかけ、愛鳥週間などを設けて野鳥を愛するが、そのエサとなるムシ、とりわけケムシ、イモムシを毛嫌いするのでムシが生き延びる環境が破壊され、市街地ではムシよりも野鳥の数が多く、バランスが崩れ、ムシが減少している。そのため、少年達の昆虫採集の楽しみが失われてしまった。

     ここ観察園では、南方系のシマサルスベリ(ミソハギ科)の葉で幼虫が3匹見つかった。生物多様性保存に注力している当園としては大変喜ばしい出来事であった。その成長を毎日見守っていたが、ある日、3匹のうち1匹がハラビロカマキリにまさに食べられている光景にであった。色々な生物の繁殖に努めている当園としては、やむを得ないことであるが、美しい「月の女神」にはもっと繁殖して欲しい。残る2匹は飼育ケースに保護し育てることにした。

     幼虫を蛹まで育てるのは易しい。しかし、成虫は口が退化しており、何も食べず、1週間ほどで交尾し産卵して死んでしまう。あわただしく儚い命である。観察園ではもっと多くの「月の女神」が夜空を舞うことができるようにしたいものである。