葉はヤナギに似ていて、花はシランの花に似ていることからの名前。冷涼な高原で群落をなし、盛夏の草原をピンク色に染める様は風物詩となる。西欧・アジア・北米などの北半球の温帯~寒地に広く分布する植物で、特に山火事の跡地、森林伐採跡地、スキー場などの裸地にいち早く侵入して大繁茂するが、他の植物が生育してくると群落が、蜃気楼のように消えてしまう。山火事の多い北米では、火事場跡の雑草(Fire Weed)と呼ばれ、ロシアでは一般的なハーブティ(Ivan-chai イワン・チャイ=普通茶の意味)の材料として、大量に花と葉が刈られている。日本では本州中部以北の高原や北海道で見られるが、近年、温暖化のせいで植物の成長が早いからか、シカ害によるものなのか、ヤナギランの群落地が少なくなり、埼玉県、宮城県、栃木県、山形県、宮城県、秋田県では、絶滅危惧種に指定されている。東京の市街地でヤナギランを栽培するのは難しく、気を使って栽培しているが、この花も蜃気楼のように、来年は消えてしまうのだろうか。
5月の花 ニゲラ(クロタネソウ)
自然観察園再開のお知らせ
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が解除されたことから、以下のとおり段階的に開園いたします。
6月9日(火)より観察園の屋外のみ開園します。
開園時間
火から金曜日:13時から16時
土・日・祝日:10時から16時
なお管理棟は7月1日より利用再開の予定です。
入園に際してのお願い
・過去2週間以内に感染が引き続き拡大している国・地域への訪問歴がある場合は入園をご遠慮ください。
・体調不良の方は入園をご遠慮ください。
・マスクを必ず着用してください。
・人と人との距離(ソーシャルディスタンス)を十分に確保してください。
・消毒による貴重な生物への影響を考慮し、トイレは当面の間使用できません。
観察園ブログがスタート
むさしの自然観察園の公式ブログがスタートしました。観察園の植物や生きものの旬の情報をお届けします。