日本では、春咲きシュウメイギク(Anemone virginiana)とか、フタマタイチゲ(Anemone dichotoma)とかいう別種の植物の名前で誤って売られていることが多い。本種は種小名が示すように、カナダ南部から米国北東部の湿った草原や藪の中、小川や池のほとりなどに広く自生している。日本の同属のイチリンソウ(Anemone nikoensis)やニリンソウ(Anemone flaccida)など、夏前に枯れてしまうスプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)とは異なり、冬以外は地上部が残る多年草で、根茎により広がっていく。茎の先にモミジのように切れ込みのある葉が開きその中央に花茎が出て、白い楕円形の5弁の花(萼)をつける。木漏れ日程度から日陰の環境を好むので、庭の暗くなる場所に植栽するとよい。