5月 ムシトリナデシコ

ムシトリナデシコ
ムシトリナデシコ ナデシコ科

ヨーロッパ原産の越年草で、茎上部の葉の下に、粘液を分泌する部分が帯状にあり、これに虫が付着して捕らえられることがあることからの名前。付着して捕獲された昆虫を消化吸収する食虫植物ではない。花の蜜を盗むだけで効果的な受粉を行わないアリが茎をよじ登り花にやってくるのを防ぐためか、あるいは、受粉に効果のあるチョウやアブを捕獲するクモやカマキリの接近を防ぐためであろうと考えられる。そのことを知っているのか、多くのチョウがこの花に訪れ、じっくりと蜜を吸っている姿を見ることが多い。ナデシコに似て可憐な花であるが、したたかな知恵を持っている。