ヒガンバナの白い花の別名だが、これも三倍体で種子はできないとのこと。牧野富太郎博士は、シロバナマンジュシャゲは、黄色いショウキズイセンとヒガンバナの交雑種であると断定したが、両者とも三倍体であるのに交雑種ができるのはおかしい。近年の遺伝子解析により、コヒガンバナ(ヒガンバナの2倍体)と、コヒガンバナの祖先において、突然変異で出現したショウキズイセン(2倍体)との交雑種であると認定された。すなわち、ヒガンバナ(3倍体)の原産地において、コヒガンバナ(2倍体)が当然自生するが、このコヒガンバナは古い時代に突然変異でショウキズイセンを生み出し、後世にショウキズイセンとコヒガンバナの交雑でシロバナマンジュシャゲが生まれたということで、いわば近親交配である。コヒガンバナは2倍体なので種子をつけるが、花径に花はせいぜい4つしかつけない。ヒガンバナ(3倍体)は花を6つ付けるが種子はつけない。ゆえに、花が多くて美しく、種子をつけないため球根の発達が良いことから、ヒガンバナ(3倍体)が全国にひろまった可能性がある。