山林の林内に自生するウバユリの赤花品種。だいぶ以前、長崎県とその後熊本県の極めて限られた場所での自生が発見され、発見者によって自家栽培された子孫が市場に出回ったものと思われる。ウバユリの園芸品種となるのか、変種なのか、別種となるのか、分類も生態も不明な部分が多い植物(正式学名はまだついていない)。一度花を咲かせると、元の球根は消滅し、小さい球根が複数残る。種子から花が咲くまで成長するには5~6年はかかる。市場に出回っているのは、黒みがかった濃紅色であるが、自生する現地では鮮紅色のものもあるようだ。ということで、観察園ではこの濃紅色の花後の種子を蒔いて、その中から鮮紅色のものが出現しないかなぁと、5~6年先の夢を追いかけ育てている。