白い花弁が4枚、そのうち上の2枚は斜め上に開き、下の2枚は左右水平に開く。触角のように長い雄しべが下向きにでて、丁度、白い蝶が下向きに止まっているように見えるところからの名前。それゆえ白鳥草ではなく、白蝶草である。しかし、桃色の園芸品種は、ヤマモモソウと呼ばれている。山桃(ヤマモモ科)とは似て似つかぬ花であり、名づけの親のセンスが疑われる。そのせいか、園芸店では旧学名の属名からとったガウラ(Gaura lindheimeri)の名が使われるようになった。しかし、しかし、最近、Gaura 属(ヤマモモソウ属)はマツヨイグサ属(Oenothera)に統合されたので Oenothera lindheimeriとなるが、その場合はガウラではなく、エノテラの名前を使うのだろうか。そんな人間界の戸惑いをよそに、今日もハクチョウソウは優雅に咲いている。