7月の生きもの ナガサキアゲハ

江戸時代の1823年に来日したシーボルトが、長崎で発見して広く世に知られるようになったことからの名前。江戸時代では九州以南に限られていた分布域は、拡大しつつあり、1940年代では山口県南部や高知県南部でも見られるようになり、1960年代には淡路島、2000年初頭には福井県や神奈川県西部の太平洋側で越冬が確認され、2007年には茨城県南西部、2009年には栃木県南部で多数見られた。この年には宮城県名取市でも見られている。こうした分布の変遷から、本種は地球温暖化の指標種として注目されている。筆者がチョウの採集をしていた中学時代の1950年代は、ナガサキアゲハは南方の憧れの別格のチョウであったが、今では武蔵野市で普通にみられるチョウになり下がってしまった。そんなことに大きな失意を感じる小生の気持ちを理解してくれる人は・・・・いない。