水流が速く日当たりの良い川の、平瀬を好んで生息する。本来は琵琶湖産であるが、琵琶湖のアユやゲンゴロウブナ(ヘラブナ)の放流に伴い、分布が広がり、繁殖した。そのため、シラハエ(近畿)、ヤマベ(関東)、ジンケン(東北)など、各地での地方名が多い。姿がきれい、引きがよい、味がよいので釣魚として人気が出た。筆者が小学生の頃、よく親父がヤマベ釣りに連れて行ってくれた。酒匂川(神奈川)、養老川(千葉)、秋山川(山梨)などの、緑あふれる清流で1日釣りをして過ごした。今では、全国的な河川改修と経済成長により、河岸の景色は、住宅地、工業団地、ダムのバックウォター化などにより様変わりした。岸辺のレンゲやナノハナ、ヒバリの囀り、眠たそうにモォ~と聞こえてくる牛の鳴き声など、のどかな別世界の中の清流は消えてしまった。