7月 ノリウツギ

 樹高2m~5mになる落葉灌木で、枝が細く長く伸びて先端の重さで倒れ、つる植物のように見えることもある。樹皮から粘液をとり、和紙を漉くときのコウゾなどの繊維の分散・浮上材(ネリ)として使用したことからの名前で(ネバリ⇒ネリ⇒ノリ)、別名ノリノキ、北海道でサビタという。

 現在ではノリウツギに代わり、より粘度の高いトロロアオイの根から抽出した粘液や化学糊を使うことが多くなったが、粘度の高いガンピ(雁皮)から和紙をつくる場合は、より低い粘度のノリウツギを使うことが多いようだ。全国手すき和紙連合会の調査では、漉き手がネリとして使用するものとして、トロロアオイは約60%、化学ネリは13%、ノリウツギは10%弱とのことである。

 アジサイと同様に、花房には萼が変化した装飾花が混在し、花が枯れてからも茶色くなって翌年以降まで残る。ある村の美しい乙女が、若者からプロポーズされたが、それをお断りするのに、乙女は「この花が散る時がきたらお返事します」と答えたそうだ。若者は燃ゆる思いで返事を待ち焦がれたが、いつまでも返事がもらえなかったという話がある。