中国南部~インド北部原産の落葉低木で、樹高1~2m、地下茎から芽を出して広い範囲に茂る。梅雨時から夏にかけて、ピンク色の小花が直径15cmほどのボール状にまとまって咲く。綺麗な花だ。花には、ほんのりよい香りもする。開花する花が少ないこの時期には、クロアゲハ、カラスアゲハ、ナガサキアゲハなどが好んで吸蜜に飛来する。しかし、葉に触れると独特の臭気がムワーッと辺りに漂う。クサギ(臭木)の葉の臭いだ。クサギも本種も同じシソ科クサギ属なのだ。花はボタンのように綺麗だが、葉はクサギ(臭木)と同じ臭いなので、ボタンクサギの名になった。名を聞いただけで臭い木と推測でき、近寄るのが躊躇される。変な名前を付けられて悲しむべきか。
だが、気の毒な名前はもっとある。ママコノシリヌグイ、オオイヌノフグリ、ハキダメギク、ヘクソカズラ、ジゴクノカマノフタ・・・・。クサギの名前をつけた見返りに、バランスをとって綺麗な花の代表たるボタン(牡丹)の名も併せ付けたのだから、我慢してなァ~と、見るたびに声掛けしている。