冬になって、わずかながらも緑のままの葉を落とさないところからの名前。サンショウやイヌザンショウに比べ、葉は楕円形でなく披針形になり、ヌルデのように葉軸に翼がある。雌雄別株だが、日本では雌株しか存在せず、ヤマコウバシと同様に雌株だけで実をつけ単為生殖する。刺は大きく長いので、オニザンショウの別名がある。漢名は秦椒・竹葉椒。石灰岩や石灰分の多い地質を好むためか、火山灰地の東京近辺ではあまり見られない。中国では、食用として花椒(華北山椒)だけでなく、ほかの山椒も食べたり、薬用にしていた。麻婆豆腐には日本のサンショウでは辛みが足りず、ウナギの蒲焼には香り高い日本のサンショウの方が良い。中国ではカラスザンショウの新芽も食用にしていが、油を使った料理では、アクや辛みがマイルドになるからだろう。