9月 キタキチョウ(北黄蝶) シロチョウ科

キタキチョウは、以前は単にキチョウ(Eurema hecabe)と呼んでいた、モンシロチョウよりも少し小さい黄色いチョウであり、本州~南西諸島(種子島・屋久島~波照間、与那国島など)の草原で普通に見られるチョウである。しかし、DNA 分析により、南西諸島にだけ棲息するキチョウのグループは、本土に棲息するグループと別種であることが分かり、2005年以降、2種に分けられた。そして本土に棲息するキチョウだけに、キタキチョウ(Eurema mandariana)と新名が付けられ、南西諸島にだけ生息するグループはキチョウ(Eurema hecabe)の名前のままとした。南西諸島では両種が混生している。それは良いとして、本土~南西諸島まで普遍的に生息するキチョウのグループをキタキチョウとし、南西諸島固有種に従来の名前を付けたのか、まったくもって納得できない。せめて、ミナミキチョウと名付けるべきでなかったか。

6月の生きもの モノサシトンボのメス

平地から丘陵地にかけて分布し、樹林に囲まれた池、沼、湿地でよく見られ、岸辺が暗い環境を好む。学校ビオトープでもよく見られる。腹部には輪になった環形紋が等間隔にあり、目盛りのように見えることがモノサシトンボの名前の由来。オスはこの環形紋が水色だが、メスは黄褐色や淡緑色になるものがおり、それだけでなく、オスのような水色の色彩になるものもいるので、チラッと見ただけでは雌雄の判断が難しい。