ジャコウアゲハの成虫は黒いアゲハチョウで、オスの下腹部はジャコウの香りがすることが名前の由来。幼虫は、食草のウマノスズクサを食べて、アリストロキア酸(アルカロイド)という有毒成分を貯めこむ。これにより、幼虫、成虫とも小鳥などから身を守っている。クロアゲハ、カラスアゲハ、ナガサキアゲハ、などのアゲハチョウなどの黒いアゲハチョウやアゲハモドキなどの蛾は、ジャコウアゲハに擬態していると考えられている。蛹は美しく目立つ黄色で、番町皿屋敷のお菊の亡霊の姿に似ていると見て、お菊虫の別名がある。
6月 コミスジの幼虫と成虫
6月の生きもの キアゲハの幼虫と成虫
我々がよくみるアゲハチョウ(ナミアゲハ)とキアゲハは、飛んでいる姿を見た時はよく似ていて間違うこともある。しかし、幼虫は全く異なる姿をしている。ナミアゲハの幼虫はミカン類やサンショウを食草とし、終齢幼虫は緑色のイモムシで胸部に黒と白の目玉模様ができて、緑色のヘビに擬態しているようだが、愛嬌のある表情ともいえる。一方、キアゲハの終齢幼虫は、黒と緑の派手な縞模様で、黒い縞模様の部分には黄色の警戒色も入り、毒々しい風貌をしている。エサはセリ科植物で、海岸沿いではアシタバ、ハマウドなど、高山地帯ではシシウド、ミヤマウイキョウなど、平地ではセリ、ミツバなど、農地ではニンジン、パセリ、フェンネルなどを食草としているため、生育地が広い。写真の食草はセリ。
6月の生きもの アカボシゴマダラ
5月 サラサウツギ
卯の花の名で知られるウツギの八重咲き品種で、白い花弁ばかりのものをシロバナヤエウツギと呼び、外側の花弁が美しい淡紅紫色で内側の花弁が白色のものをサラサウツギと呼ぶ。沢山の蕾から一斉に花が咲くので、大変華やかであるが、恥じらいが感じられる初々しさもあるので、女子高生の団体に出会ったような印象を受ける。だが、枝には粘りがあり丈夫なため、タンスなどの木釘に使われたことを考えると、幻想は儚く消えてしまう。
5月の花 カシワバアジサイ
北米南東部のルイジアナ、テネシー、ノースカロライナ、サウスカロライナ、アラバマ、フロリダ州が原産で、落葉樹林の渓谷や河川の流域などに自生する。同じくアメリカ原産のアジサイである「アナベル」とともに、近年人気が出てきた。花のように見える部分は、ガクが大きく発達した「装飾花」と呼ばれるもので、装飾花は時間の経過とともにピンク色に染まっていく。装飾花はアナベルと同様に散らずに長く残る。しかし、剪定せずに長く枝に残しておくと、秋に花芽ができるので、冬に枝を切ると花芽を切ってしまうことになる。カシワバアジサイは、アジサイ、ガクアジサイ、ヤマアジサイと同様に、花後の7月までに花から2~3節下の脇芽が出ている上で剪定をすることが必要。一方、アナベルは、ノリウツギと同様に4月以降、新芽から花芽ができるので、冬までに剪定をしておけばよい。同じアジサイ科でも花芽ができる時期が異なるので、花後の剪定時期に注意が必要。